彼女、お借りします【154話】かのかりネタバレ

彼女、お借りします

漫画「彼女、お借りします」154話のネタバレ

2020年9月26日(水) 週刊少年マガジン40号 発売

彼女、お借りします(かのかり)

満足度154 思い切りと彼女 ネタバレ

「やあ墨ちゃん」

和也が挨拶をすると、墨は照れ笑いをした。

「ビラの時以来だね、1時間だけだけどごめんね、今あんま金なくて」

墨は笑顔でコクコク頷いた。

「今日は墨ちゃんに相談があってさ」

!!

墨は周りを見渡し拳を握りしめ、目に涙を浮かべながら和也に迫った。

“え?なんか感動してる…?”

「ちょ、ちょっ」

“ちっ、近ぁ…!”

墨は真剣な顔をしてふんふんしていた。

“まぁたしかに客から折り入って相談なんてレンカノ冥利に尽きるというか…!”

「ちょ、ちょっと一旦落ち着こうか」

墨はハッとしてペコペコ頭を下げた。

「ぷっ、むしろありがとうそんな真剣になってくれて。やっぱ墨ちゃん見てると癒されるよ」

じゃあその辺の喫茶店に、と言って和也と墨は喫茶店に入った。

墨はテーブルに頭をつけて、テーブルの上には涙がびっしょりだった。

“全然癒されない”

“号泣してる…!!小百合ばーちゃんの話”

墨はしゅばっと顔をあげた。

「ちづ…」

!?

墨は言いかけてスマホに文字を入力した。

ちづるちゃんは大丈夫そうだった?

和也は、へいきっ、と言った千鶴を思い出していた。

「……それがさ……分かんないんだよ……平気って言ってた。いつもの笑顔で…いつもの水原で……」

「でもさ…死んだのは祖母だろ…?たった一人の肉親で…悲しくないわけねーじゃん?」

「もし泣くほど辛いんだったら何か助けてやりてーけど…あんな風に笑われたら俺にはもう何もできなくて…」

「映画作ったりとかしたけど…やっぱ俺と水原はレンタルの関係で、…彼女と…客で…」

「支えてあげられる立場にもないなって思うんだよ」

和也は一人で生きていける女なんてこの世にいないっス、と言った八重森みにを思い出していた。

「最近友達に言われたんだ…一人で生きていける女なんてこの世にいないって」

「でもさ、正直本当かな?って思うよ。こんな時まであんな気丈に振る舞われたら」

「一人で生きていける女性はここにいたんじゃないかって…」

「そう思ったらまじ手も足もでなくてさ…」

「墨ちゃんなら今の水原の気持ち、俺より分かるんじゃないかと思ってさ…」

墨はダージリンティーを一気に飲み干し、ガタッと立ち上がった。

「すっ、墨ちゃん……?」

墨は和也の手を掴み、ぐいっと引っ張って店を出ようとした。

「どっ、どこに!?お金っお金だけっ、無銭飲食になっちゃう!」

新宿駅

「新宿…っ!?」

“なんで新宿!?なんで急に大都会!?”

和也が戸惑っていると、墨は改札を通っていった。

“電車乗んの…?”

墨はキョロキョロ周りを見渡すと、上の方を指さした。

「は!?」

“湘南新宿ライン!?藤沢行き”

「すっ、墨ちゃん…まさか…!!」

墨はコクっと頷いた。

“この子湘南に…!!”

「いやいやいやいや無理だって!!だいたいなんだって今から急に海に…っ!!」

墨はスマホに文字を打って和也に見せた。

悩みには海が効く

「むっ無理だって!だいたい今日は一時間プランだし、もうほぼ終わりに……」

「…………」

墨はスマホをカバンにしまった。

「私も千鶴ちゃんの為に…何かしたい…」

「ここからはお友達……」

墨は顔を赤くしながら声に出して言った。

そしてふんふんずんずんホームに向かって行った。

和也は口を大きく開けて固まっていた。

“なーーーーっ!!!?”

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